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2022/3/11お役立ち情報

日本の最先端技術 ~無色透明の太陽光発電『SQPV 発電ガラス』~

【太陽光発電とは】
太陽光発電とは、太陽の光エネルギーで発電することです。
太陽の光は、いくら使用しても枯渇しないため、再生可能エネルギーの一つとされています。

世界で初めて太陽光発電が使用されたのは、1958年アメリカの人工衛星『ヴァンガード1号』でした。
燃料が無い宇宙空間での、電源として用いられました。

 

※出典:ウィキペディア


いまは、世界中で303GW(ギガワット)以上の太陽光発電が導入されました。

ここまで太陽光発電が増えたのは、発電中にCO2などの有害物質が出ない特性を持つためです。
大きな気候変動を防ぐために、世界の国々が太陽光発電に注力しています。

 

【太陽光発電の仕組み】
太陽光発電は、半導体に光を当てると電気が生まれる「光電効果」という仕組みで発電します。
太陽電池(ソーラーパネル、モジュール)は、n形、p形という2種類のシリコン半導体を重ね合わせた構造です。

 

※出典:タイナビ

 

半導体に太陽光があたると、電子が光のエネルギーを吸収して動きだします。
このとき、2箇所の電極を導線で結ぶと、電流が流れます。
エネルギーを抱えた電子が動き出して仕事をし、半導体に戻るサイクルを繰り返して、電力が供給されるのです。

 

【太陽光発電のメリット】
① 光熱費を削減できる。
② ソーラーパネルは、故障が少ない。
③ CO2を出さない、環境に優しい再生可能エネルギーである。
④ 災害時や停電時に、電気が使える。
⑤ 余った電気を売ることが出来る。
⑥ 蓄電池やエコキュートなどの設備と組合せで、電気代が安くなる。
⑦ 屋根に載せることで、断熱効果がある。

※出典:エコでんち


【太陽光発電のデメリット】

① 基本的に屋根に載せるため、面積やデザインに制限がかかる。
② 発電量が安定しない。
③ パワコンなどの電気機器にメンテナンス費用がかかる。
④ 台風や火災などで、壊れることがある。
⑤ 10~15年で、寿命を迎える。
⑥ 電気を貯められる量に、限りがある。
⑦ 初期投資費用が高い。

一般家庭では、太陽光パネルを屋根の上に載せることがほとんどです。
そのため、日当たりが悪い場所では、発電量が悪くあまりお勧めできません。
屋根の大きさには、限界があるため、発電面積は限られてしまいます。
そんな中、無職透明の太陽光パネルが出回り始めています。
これを使えば、屋根以外にも発電面積を上げられる可能性が高くなります。
そんな商品をご紹介したいと思います。


【見えない光でも発電する物質『SQPV』】

2011年にinQs株式会社が、見えない光でも発電する物質『SQPV』を世界で初めて、高純度SiO2から開発しました。
その『SQPV』を活用して、2020年5月にNTTアドバンステクノロジが、SQPV技術を使用して製造した高機能ガラス製品の販売において、inQsと日本国内独占販売契約を締結。『無色透明発電ガラス(以下:発電ガラス)』を発売しています。
発電ガラスは、無色透明で、両面からの日射に対して発電できるそうです。
可視光を最大限透過しつつ発電する技術で、一般のガラスが使える全ての用途に、発電と遮熱という機能をつけて利用できるとされています。
目に見えない赤外線や紫外線を吸収し、発電する機能を有しているため、まさに『未来のガラス』と言えるでしょう。

※出典:NTTアドバンステクノロジ株式会社


【発電ガラスの特徴】

① 無色透明なので、普通に窓ガラスとして使え、壁面に貼ることも可能。
② 表面・裏面および斜めの面から入射する太陽光からも発電が可能。
③ 発電+遮熱効果で、エネルギーを創り、エネルギー消費量を減らします。
④ レアアースなどの希少かつ高価な材料を用いないため、大量生産が可能。
⑤ 発電ガラスの厚さは自由に作れ、用途に合わせて、複層化も可能。
⑥ デザインが自由自在。
⑦ 赤外光を反射せず吸収し発電するので、ヒートアイランド現象が防止できる。

※NTTアドバンステクノロジ株式会社


【発電ガラスの実情】

NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)は、2021年9月1日、無色透明発電ガラス(以下、発電ガラス)の販売を開始し、初の導入先として学校法人海城学園(東京都新宿区)に設置したと発表されました。
海城学園には、学園内のサイエンスセンターに、展示用教材として約28cm角の発電ガラスを9枚配置したモジュールを設置。
今後さらに温室の壁面に120枚の発電ガラスを内窓として取り付ける方針だそうです。

なお、発電ガラスの内窓取り付けに際して必要となるガラスや固定、配線、サッシ収容技術などについては、YKK APの協力を受けています。

NTTアドバンステクノロジとinQsは、現時点で発電ガラスの発電性能は、28cm角で数十mW程度だが、今後さらなる性能向上に向けた技術開発を継続するとしています。
同時に内窓など、室内でのエネルギーハーベスティング用途での展開に取り組むとともに、耐候性能評価、屋外収容技術の確立に取り組み、適用領域拡大を推進する方針だということです。

 

※出典:※NTTアドバンステクノロジ株式会社


今後は、オフィスビル・工場・交通機関(駅舎)・電車車両・自動車・農業・大型商業施設・

アミューズメントパークなどに導入されていく予定ということです。
一般的に使用されるまでは、もう少し時間が掛りそうですが、実用化されることを期待したい商品ですね。

 

※出典:※NTTアドバンステクノロジ株式会社


【発電ガラスで変わる未来の可能性】

再生可能エネルギーだけで、全ての電力を賄うことは、まだ難しい世の中です。
しかし、発電ガラスの様に、色々な分野で、新しい発電システムが開発されて来ています。
環境に優しいうえ、光熱費が0円になる社会は、誰もが待ち望んでいます。
もしかすると、そう遠い未来ではないのかもしれません。

 

※出典:総合学院テクノスカレッジ