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2022/4/8お役立ち情報

日本の最先端建材 ~無機質コーティング『液体ガラス』~

【液体ガラスとは?】
液体ガラスとは、建築物(コンクリート・モルタル・スレート・金属・木材など)に常温でホーロー被膜を形成する技術のことです。
この被膜は、紫外線に強く、不燃・耐水・耐薬品・耐汚性等に対する性能の向上が認められており、有機塗料では成し得なかった長期的な耐久効果が実証されています。
そのうえ、空気・水・鉱石の無機質材からできているため、人体に無害であり、環境にも優しい塗料です。

 

※出典:株式会社トーザイクリエイト


【木材に対しての液体ガラスの特徴】

① 木本来の香りを生かす。
② 汚れ、紫外線による劣化を防いで木目の美しさを長く保つ。
③ 木材の滑り、トゲ、ササクレを長期間防ぐ。
④ 腐朽やシロアリ食害から守れる。
⑤ 木材のみならず、様々な天然素材とも高い融合性がある。

※出典:Sendai Wood

 

【コンクリートに対しての液体ガラスと他塗料の差異】
① 水ガラス系改質剤
コンクリートに水ガラス系改質剤を塗布しても、分子構造が不安定で、水に触れると溶解してしまいます。
そのため、水ガラスはいずれコンクリートから溶脱して効果は無くなってしまいます。

② シリコーン系改質剤
シリコーン系改質剤に代表される高分子系改質剤は、当初は撥水効果等の性能がでますが、紫外線による有機物分解等により3年もたてば、劣化し効果がなくなります。

③ 液体ガラス
上記に対し液体ガラスによって生まれ変わったコンクリートは、化学変化により強化され、内部に水が浸透することも空気に触れることもなくなりますので、酸化を防ぎ中性化現象も起こりません。
そして、一度化学変化を起こし石英ガラス化したものは、永久的といえる効果があります。
また、コンクリートの状態にもよりますが、データから200年から800年持つコンクリートに生まれ変わります。
また、施工法によりひび割れないコンクリートを作ることも可能です。

※出典:液体ガラス

 

【用途に合わせた液体ガラスの種類】
世界初の液体ガラスを開発し、コンクリートの強化をはじめ、最も難しいとされた木材の改質を無害・無公害・無添加で再現させ、更には腐らない・白蟻に食われない・退色しないという常識を変える商品化を実現したのは、株式会社ニッコーさんです。
用途に合わせて、様々な種類が開発されています。

※出典:株式会社ニッコー


今や、ネットなどで様々なメーカーの液体ガラスが販売されてきています。

ニッコー液体ガラスを取り扱うためには、講習を受け、会員と認定されないと使用できません。
そのため、まだ一般的に多く普及しているとは言えないものです。
ただ、多くの会社が講習を受け、認定されてきていますので、近場で施工を依頼することは可能でしょう。

 

【木材の欠点を解決できる液体ガラス】
木材の欠点は、次のようなものがあります。
① 燃えやすい。
② 腐りやすい。
③ 変形しやすい。
④ 割れやすい。
⑤ 節や色違いがある。
⑥ 白蟻に食われる。
これらの短所は、液体ガラスを含浸することで、克服することができます。

キセノンランプによる耐久促進試験を行い、6000時間の状況(屋外暴露12年以上相当)の実験では、下記図を見れば一目瞭然です。
ガラス処理は、木ごころ(ガラス液体含浸)+木あじ(シーラー)+テリオスウッド(トップコート)によるトリプルコートが施されています。

※出典:HIRATO INDUSTRY

 

この技術を使用すれば、家屋全体を木材で作ることも可能になります。
そんな中、『100年、1000年先まで輝き続ける檜の家』を目指し、日本ハウスホールディングスが『伝統を継承する木組から生まれたあたらしい未来』のモデルハウスを建てられました。

※出典:日本ハウスホールディングス

檜材は、伐採後、強度が上がると言われる日本国内で最高ランクの建築資材です。
檜特有の耐久性の高さは木材の中でも頂点に立つと言われます。
それに加えて変色を防ぐために選んだのが「木・液体ガラス」。
特徴的な外観であるが、木部は日光、風雨にさらし続ける事で灰褐色に変化する。
それを今回の「木・液体ガラス」でどれだけ防げるか、興味深く見守っていきたいですね。

【液体ガラスの展望】
日本の森林面積は国土全体の67%を占めています。
しかし、木材の80%以上が輸入によって賄われています。
輸入材として知られる南洋材は、不当な伐採が広く行われ、それが地球環境にまでも影響を及ぼしています。

このような現状から、南洋材の保護は世界規模での課題とされています。
地球環境を守り、日本古来の林業を活性化するために、世界第3位の森林大国である日本の間伐材を有効利用させたいのは言うまでも有りません。
木材含浸液体ガラスの技術を駆使すれば、「生き続ける木製品」の普及ができると考えられます。

※出典:株式会社COMTAS

 

日本では、多くの重要文化財が木材で造られています。
液体ガラスを使用することで、それらをより長く、後世に残していけるかもしれません。

※出典:nippon.com