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2020/12/4おうちの何コレ

おうちの何コレ!?珍現象!

実は危ない?!床下基礎のコンクリートに浮かぶ白い現象に迫る!

今回はコラム第一弾です。

突然ですが、『コンクリート表面にこんな現象、見たことありませんか?』

A  白いモコモコ現象
B 白いカチカチ現象

カビでしょうか?雪でしょうか??  

この2つは同じものなのでしょうか? いずれも違います。

この2つは同じようでいて、実は違う物質の「結晶」なのです。 そして、この現象がお家に与える影響とは?今回はその正体と、解決に迫ります!

 

A  白いモコモコ現象 この正体は 「針状(しんじょう)結晶」 です。

この正体は、「硫酸ナトリウム」の結晶です。

建物が建っている土壌中の硫酸塩が雨水に溶けて「硫酸イオンになり、床下土壌の表面で、毛細管現象によって吸い上げられる際に、 濃縮されてコンクリート表面にこのような白くモコモコした正体「硫酸ナトリウムの結晶」として析出*(せきしゅつ)します。

*溶液から溶質である成分が固体として現れる現象。

特に束石での発生は、コンクリート内部で結晶化する為、
徐々にコンクリートを微細破壊していく危険性があり、
このままだと束石(つかいし)が粉々になって床が落ちてしまうので要注意です!

 

B  白いカチカチ現象

  この正体は 「白華(エフロレッセンス)」 です。

この滲み出て固まったような白い線状もしくは斑点状の「カチカチ」の正体、
その名は「白華(はっか)」と言います。この正体は、「炭酸カルシウム」の結晶です。 コンクリートが硬化する過程で多量の「水酸化カルシウム」ができます。コンクリートの割れなどから雨水が染み込むと水酸化カルシウムは水とともに表面に移動し空気中の二酸化炭素と結合してこのように「炭酸カルシウム」として結晶化します。

この現象は、コンクリートの強度的には問題ないのですが、水が侵入することで鉄筋がサビて元の太さよりも太くなることにより、コンクリートが押し出されて、コンクリートの爆裂を引き起こす可能性があります。

『では、私たちは、これらの現象を発見した場合、
どう対処したらいいのでしょうか?』

まず、水を浸透させないことが重要です。
基礎の場合(白華)は、防水撥水剤、束石(つかいし)の場合(針状結晶)は、束石の交換、強化プラスチック製床束(ハイテクボード使用)をご提案致します。

前処理 「ケレン掛け」

白華及び針状結晶が出ている基礎コンクリートに対して防水撥水剤を施工する
前に「ケレン掛け」という作業を行っています。
ケレン掛けは塗布材を塗りやすくするために表面を仕上げる作業で
基礎コンクリートの場合、主にワイヤーブラシが使われています。

防水撥水剤の塗布

防水撥水剤は、水溶液中の成分が水よりも深く、コンクリート・石質の毛細管水隙や空隙を通り含侵する撥水剤です。有機撥水剤や樹脂コーティングと異なり、通気性のある恒久的な防水層を形成、余分な水を吸わないため、内部からにじみ出る白華現象を抑制します。

施工前
施工後

床下の基礎コンクリートに浮かぶ白い現象は、白華と針状結晶によるものでした。また、その対策として、防水撥水剤のご提案をさせていただきました。

おうちを守るためのいろいろな対策があるのですね。
このような状態で気になる箇所がありましたら、まずはご相談下さい。

一度は見たことがある、謎の現象について、
これからもコラムで解き明かしていきたいと思います。

「築100年を当たり前に」
ダイヤ工務店