BLOGコラム

2022/1/14おうちの何コレ

桝の役割と必要性・清掃方法について

【桝とは一体何?】

下水道設備がある地域では、家の構造の一つに、桝というものがあります。
基本的に、地中に埋まっている部分なので、目につきません。
そのため、あまり構造や必要性をご存じの方は、少ないと思います。
しかし、日々、水を使用する私たちには、桝は欠かせないものなのです。

水廻りの排水は、排水管を通り、下水道へ運ばれて行きます。
この排水を下水道へ送るために、欠かせないものが桝となります。

参照:環境保全事業協同組合

 

排水管の湾曲部分と合流部分、そして高さ調整する場所には、詰まりを防止するために、桝の設置が必要となります。
水の流れを変える場所は、汚物などが溜まりやすいため、点検・清掃やメンテナンスを行いやすくさせる役割もあります。
そのため、排水管が直線でも、長い距離がある場合は、桝を設置する必要があります。

 

【桝の種類とそれぞれの役割】
一般的な家屋では、大きく分けて、桝は3種類(雨水桝・汚水桝・公共桝)に分けられます。

※参照:桝.COM

1. 雨水桝…敷地内に降った雨水を集まるためのもの。

※参照:電材管財.com

砂や枯葉などを沈殿させ、一時的に雨水を貯留して、流量の調整をする役割があります。
非浸透式は、下水道へ流れるように設置されます。
浸透式は、地面にしみこませて雨水を処理する構造です。


2. 汚水桝(インバート桝)…生活排水(雑排水)をためるためのもの。

※参照:電材管財.com

水廻りなどから出た雑排水を集結させ、ゴミなどの固形物をそこにためる役割があります。


3. 公共桝(最終桝)…雨水・雑排水などの敷地内から流れる全ての排水を集めるもの。

※参照:電材管財.com

個人の敷地内にある排水設備と、道路内に整備された下水道本管を結ぶ役割です。
公共桝は、敷地境界線から1m以内に設置されていて、下水道本管から公共桝までは、市町村が設置・管理します。


【自分できる桝の清掃方法】
前述したように、桝はゴミなどの固形物を底に溜めて、水の流れをスムーズにしています。
使用を続けていると当然ですが、固形物は蓄積されていきます。
そこで、定期的に清掃することをおススメします。
ここでは、自分でできる清掃方法をご紹介します。
1. 桝清掃に必要なもの
①ビニール手袋
②マイナスドライバー
③スコップ(汚れをすくうために使用するので、柄が長いものがおススメ)
④バケツ
⑤水切りができるもの(三角コーナーや、ザルなど)
⑥ゴミ袋
⑦固めのブラシ
⑧台所用洗剤
⑨散水ホース(お持ちの場合は、高圧洗浄機)
※道具は非常に汚れますので、捨ててもいい物を準備することをおススメします。

2. 桝の清掃方法

※参照:レスキューラボ

①排水桝のフタを開ける。
※開けにくいときは、汚れが詰まっている可能性があります。隙間に、マイナスドライバーを差し込み、こじ開けることが出来ます。
②排水桝の表面に溜まっている汚れをスコップなどで取り除く。
③取り除いた固形物は、水を切ってからゴミ袋に入れる。
④大まかな汚れが取り除けたら、エルボ(下向きに曲がったパイプ)を取り外す。

※参照:四條畷市HP

⑤排水桝の底に溜まっている汚れをすくいとる。
⑥配管の中に、散水ホースを差し込み、下流から上流に向かって洗浄する。
※水圧が強すぎると、排水口から水が噴出する恐れがあるので注意。
⑦台所用洗剤とブラシを使って、排水桝内の汚れを落とす。
⑧台所用洗剤とブラシで、きれいに洗ったエルボを戻して、蓋を閉めて完了。
※散水ホースや高圧洗浄機が使えない環境の場合は、排水桝内部の汚れだけ、綺麗に落としておくといいでしょう。

3. 桝清掃の頻度
定期的に掃除した方が、つまりの心配もなく、気持ちよく使うことができます。
頻度としては、半年に1回が理想的ですが、難しければ1年に1回行えると安心です。
また、高圧洗浄機などで、排水管内部も洗浄できるとベストですから、自分でやるのが難しいと感じる方は、業者に依頼することをおススメします。


【業者に依頼した場合の排水管洗浄相場】

桝清掃は、何とか自分で出来たとしても、それぞれの桝に繋がっている排水管内部までの洗浄は、難しいと思います。
知識がある方は、高圧洗浄機などで出来るかもしれません。
ただ、作業中に排水管の損傷に気付いたり、傷つけたりと不測の事態が起こる可能性があります。
そうなれば、なかなかご自身での対応は難しいですよね。
不安がある場合は、業者に依頼する方が、賢い選択かもしれません。
何年も桝清掃ができていない方は、まず業者へ依頼することをおススメします。
一般的な、値段の相場は下記の通りです。

マンション・アパート / 8世帯 48,000円〜60,000円
建築物・ビル / 2階 40,000円〜51,000円
テナント・店舗 / 50平米 35,000円〜45,000円
一戸建て住宅 / 一般住宅 17,000円〜24,000円

※参照:くらしのマーケット(2022年1月現在)

業者により、屋内のみや屋外だけという場合があります。
排水管の詰まりや悪臭を直すことが目的の場合は、部分的な洗浄だけで終わることもあります。
どこまでの洗浄が含まれているのか、確認してから依頼するようにしましょう。

※参照:クラシアン

 

【排水管・排水桝のまとめ】
毎日使用する水は、排水管を通り、汚水桝を経由し、最終桝(公共桝)へ、そして下水道へと運ばれていきます。
排水管・桝内部は、普段目にしないため、気付かない間に汚れ・固形物が付着・堆積されていきます。
そのため、定期的に点検・清掃が必要となります。

小まめな掃除は、難しい場所なので、汚れや臭いが酷い場合があります。
5年に1回は、業者に洗浄して貰うことをおススメします。

排水桝の耐用年数は、約20年と言われています。
長年使用している場合、排水管や排水桝が老朽化で破損して、漏水してしまう可能性があります。
定期的に、洗浄を業者へ依頼して、その際に異常がないか点検してもらうといいでしょう。
無理をせず、賢く業者を使い、プロに任せることをおススメします。