コラム
2021/2/19建築の考え方
消防法について
~火への憧れ~
最近、火への憧れが強くなっているように感じませんか?
キャンプなどで、焚火が流行しているとよく耳にするようになりました。
人は火を手に入れたことで、暖を取り、明かりを得て、調理をするようになり、物を加工することを覚えてきました。 火と共に発展をしてきたと言っても過言ではないかと思います。
そして今では、火を見ると落ち着くという人が増えているようです。
現代社会では、オール電化の住宅が増え、再生可能なエネルギーに注目が集まっています。
そして、火を起こして、湯を沸かしている家庭はかなり少なくなりました。
これは安全性や利便性、環境面から見ても納得できると思います。
その一方で、火を使いたくなる方や見ていたいという人も増えているようです。
では、何処でも自由に火を使うことができるのか?というとそうではありません。
火は使い方を間違うと燃え広がる性質があり、大変危険です。
家屋はもちろん、飛び火すると大きな火災に繋がり、甚大な被害を起こしてしまいます。
一昔前の日本では、茅葺屋根や木造家屋が多く、燃え拡がりやすい特徴がありました。
そのうえ、毎日風呂に入る習性があり、薪でお湯を沸かし、囲炉裏で暖を取り、かまどで調理するという感じで、火をかなり使用する生活でした。
そのため日本では火事が多く、被害を減らそうと昭和23年に消防法が制定されました。
そして、現代では火を使用しない生活スタイルへと様式が大きく変わりました。
消防法とは、火災から国民の生命などを守るために制定された法律です。
消防車の出動による火災現場の消火活動をはじめ、日ごろの火災予防や消防設備などに関する事項を定めています。
これにより、火災件数は減少して、皆様の安全を支えているのです。
ただ、火の使用を全面的に禁止されているわけではありません。
安全面を考慮すれば、使用することは可能です。
例えば、薪ストーブについて見てみましょう。
安全に使用できる設置方法なども消防法で定められています。
ただし、地域などにより違いがありますので、詳しくは市役所の都市計画課などに問い合わせるか専門業者へ相談した方がよさそうです。
ここでは、参考例をあげさせてもらいます。
薪ストーブ、炉台の設置に関して
耐火ブロック炉台と床との間には、12mm以上の断熱材を敷き詰めるか、空気層を設けて断熱してください。
また、壁面に炉台を設置する場合はブロック炉台と壁との間に30mm以上の空気層が必要になります。 壁に炉台をぴったりくっつけると、熱が直接壁面に伝わるため危険です。
薪ストーブと壁との離隔距離に関して
ストーブ本体を耐火壁から300mm以上離して置いてください。
壁がレンガなどの不燃材(内部が可燃材になっている壁は除く)の場合も離隔300mm以上としてください。
※ 耐火壁は可燃性壁材と密着させず、断熱のために30mm以上の空気層を設けてください。
このように安全を考慮して、素材や距離などが細かく規定されています。
ルールを守り、安全に使用することで、快適な生活がおくれるのです。
法律全部を理解することは難しいですが、皆様を制限するのではなく、安全に生活するためのルールだと思えば、守るのは当然だと思います。
火も自然の要素です。使用方法を間違えると脅威になります。
そのために、消防法などでルールが定められているのです。 使用してよいか分からない場合は、必ず消防へ相談しましょう。
そして弊社は、いつでも住宅に関する相談を受けられるように、社員全員が住宅に関する法律知識を身に着けられるように努力しています。
まだ足りない部分はありますが、社員研修など徹底して行ってまいります。