BLOGコラム

2022/11/4すべて

世界でニーズが高まる核シェルター

 

防災とは、考えうる最悪の事態を想定して準備してこそ、真の防災と言える。

NPO法人日本核シェルター協会

 

日本での普及率0.02%

国内ではほとんど普及していない家庭用の核シェルターですが、数年前より注目を集め始め、最近も前例にない勢いで国内の取扱業者には問い合わせがあるとのことです。
昨今の相次ぐミサイル発射に現実的に脅威を感じる人が増えたことが背景にあると言えます。
これまでしばらくの間、平和にすごしてきた日本では馴染みがなく、核シェルターとはどんなものなのか知らずに生活しています。
核と聞くとドキッとしてしまうかもしれませんが、核シェルターは核だけではなく、地震、火災、津波、放射線から身を守る有効な手段と言われています。
平和な国、日本に住む私たちですが、これからは防災設備の1つとして意識しておく必要があるのかもしれません。

ところで日本の核シェルター事情はどうなっているのか。
そもそも核シェルターとはどういうものなのか。
また、いざというときの行動について、気になることを調べてみました。

日本の核シェルター事情

核シェルター.NET

日本の普及率は0.02%と言われており核シェルターを設置している住宅はほとんどありません。他国では公共施設だけでなく、住宅にまでシェルター設置を義務付けている国もあるようです。
平成元年の参議院質問主意書によると、
「わが国で公開されている核シェルターに関する情報は、NPO法人「日本核シェルター協会」によるものしか見当たらない。同協会が2014年に発表した資料によれば、各国の人口あたりの核シェルター普及率は、スイス、イスラエルが100%、ノルウェーが98%、アメリカが82%、ロシアが78%、イギリスが67%であるのに対して、日本は0.02%とされる。」
とあります。
引用:平成元年の参議院質問主意書

 

ミサイル等の攻撃に対して防備するためのシェルターですが
現在日本には、総理官邸・自衛隊施設の一部にシェルターがあるばかりです。
今後、国・自治体などで対応が急がれ、また、自宅に設置を検討する家庭も増えるのでは無いでしょうか

核シェルターってどんなもの?

日本ではこれまで馴染みがないものでしたが2017年の朝日新聞デジタルで、以下の記事が掲載されていました。 クリックで記事にリンクします↓

 核シェルター、日本からの注文「勢い止まらない」

引用:朝日新聞デジタル

 

【シェルターのタイプ】


サンヨーホームズ

【価格の目安】

空間デザインエイト

 

■地下室タイプ


家庭用核シェルターの設置例 /空間デザインエイト

アトラス・サバイバル・シェルターズ   朝日新聞デジタル

ワールドネットインターナショナル株式会社

綾部精機製作所  朝日新聞デジタル

【特徴】

普段は地下にある部屋として倉庫などに使用することが出来、いざという時に防災用シェルターとして使うことができる。
地下空間を有効活用したい場合、より強固な防災設備として最適。
採光や換気などの環境を整えれば一般的な居室としても使用可能で様々な用途に使える。
移動時間が短い。
他のタイプと比べて高額
地下空間が利用できないところもある。

■室内設置型

ワールドネットインターナショナル株式会社
室内設置型核シェルター「WNISHELTER-S」

ワールドネットインターナショナル株式会社   室内設置型核シェルター「最後の砦」

【特徴】

地下空間が利用できない場合でも設置できる。

日常的に利用できることでパニックになってしまう緊急時にもしっかり対応しやすい。
室内にシェルターがある場合、シェルターまでの移動が容易。
日本ではマンションなど庭のない場所に住んでいる人も多いため、室内設置型シェルターや工事不要型シェルター、エアコン型など、自宅の中で利用可能なシェルターはこれからどんどん普及していく可能性があります。

■屋外設置タイプ

ワールドネットインターナショナル株式会社 20cm厚のコンクリート防空壕【令和の要塞・サバイブ5000】

【特徴】

比較的安価
NBC(核・生物・化学)攻撃に対して効果の高い空気清浄システムもオプションとしてシェルター内に導入可能。
地下が利用できない場合も設置可能。
地下室タイプよりも安価に購入できる。
ガレージとして利用できるシェルターも販売されています。このタイプは自宅の寝室などからすぐに避難しやすいといった利点があります。

 

■核シェルターで1番重要なこととは?

ワールドネットインターナショナル株式会社

■現実的な対応

核シェルターを個人が保有することは、すぐには難しいのが現状です。この場合は既存の設備や自宅を活用することで、核災害から身を守る必要があります。
核兵器の直撃による「高温・爆風・放射線」から身を守る手段は残念ながらありません。

日本の動向  私たちにできること

2022年10月17日の衆院予算委員会で、核シェルターの整備を検討する考えを示し
必要な機能課題について検討を進めているとのことで、ようやく日本にも取り組む動きが出てきたとのことです。
ただ、現状は国指定の各シェルターはなく、現在弾道ミサイルが私たちの住む街に向けて発射されても対処方法が限られています。

現状、国から発信された対応策は、残念ながら以下の対応方法のみです。

弾道ミサイル落下時の行動について 

内閣官房国民保護ポータルサイト

いざというときのサイレン音ですが、初めて聞くとかなり恐怖を感じて動揺する人もいるようです。
事前に確認して冷静に行動できるように準備しておきましょう。

弾道ミサイルは発射から7分程度で到達すると言われています。
Jアラートはミサイル発射の数分後に発動するとされており、
残された僅かな時間で自分たちにできることを事前に確認しておきましょう。
最低限の行動として1%でも生存確率を上げるために知っておくとよいでしょう

外出先でJアラートが鳴り、逃げる準備ができても、逃げ込める場所がなければ意味がありません。
Jアラートの運用と併せ、核シェルターの早急な国内普及が待たれます。

私たちもいざという時に備え、家庭レベルで命を守る対策をする時代になっているのかもしれません。
平和な時代に生まれ、これまで無事に過ごせてきましたが、この機会に自分たちが今できることは何か、身近な方々と話し合ってみられてはいかがでしょうか?

 

築100年を当たり前に

ダイヤ工務店