「パッシブソーラーシステム」

住宅やリフォームに関する話題で「太陽光」や「ソーラーパワー」と言ったら、太陽光発電を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
実は太陽光エネルギー利用のシステムは太陽光発電以外にも様々なものがあるのです。

【アクティブソーラーとパッシブソーラー】

太陽光の熱を給湯や冷暖房等のエネルギーとして利用するシステムを「ソーラーシステム」と言います。
「太陽光発電システム」や「太陽熱温水器」に代表されるような専用の機械装置を使って様々な用途に活用するシステムを「アクティブソーラー」と言います。戸建て住宅の他、マンションや集合住宅にもアクティブソーラーを取り入れるケースは増えています。

一方、機械装置を極力使わないようにしたシステムを「パッシブソーラー」と言います。
「パッシブソーラー」は太陽光をなるべく多く取り込み、風が通りやすい設計にする等なるべく自然の力のみで過ごしやすい環境を作る工夫をしたり、機械を使う場合でも消費エネルギーを抑えたものになります。
比較的敷地の広い戸建て住宅で取り入れるケースが多いようです。

年々太陽エネルギーの消費量の増加は著しいものとなっています。

家庭における燃料別エネルギー消費量

一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター

 

経済産業省　省エネポータルサイト

家庭部門のエネルギー消費量は、1973年度から2018年度は約2倍にまで増加しています。脱炭素や再生可能エネルギーの実用が叫ばれる昨今、一層の省エネを進めることが必要といえるでしょう。

【パッシブソーラーハウス】

今回は「パッシブソーラー」の中でも屋根に集熱した太陽熱をファンを使用してより快適に過ごす住居スタイルを紹介します。
「OMソーラー」
太陽の熱を屋根で集熱し、暖かい空気を床下に送り、
床暖房、給湯、換気などに利用する、オールシーズン利用できる、多機能パッシブソーラーシステム。
蓄熱した熱をダクトを通して床下に送るためにファン（プロペラ）を利用します。

換気と床暖房

 

お湯採り・給湯

 

太陽光発電と併用してファンの電力も省エネ化できます。

出典元：株式会社 安成工務店

出典元：OMソーラー株式会社

さすがに真夏や夜間、真冬では冷暖房機器を利用する必要もありますが、出来るだけ少ないエネルギー消費で冷暖房機器を利用できるように省エネ対策が可能です。
自然の熱利用で家全体が自然環境に近い快適な暖かさとなるように設計されたエコなシステムです。
しかし施工には費用も掛かりますし、スペースも必要となってきますので施工の際は業者さんに相談しましょう。

【まとめ】

パッシブソーラーシステムは施工すればアクティブソーラーシステムに比べてランニングコストも安く、自然の力をそのまま利用した暖気や換気システムは、エアコンと違い居住者の体にもやさしい温度調節が可能です。お家の新築やリフォームの際、選択肢の一つに入れてみても良いのではないでしょうか。

・挿入イメージ画像出典元
「写真AC」　https://www.photo-ac.com/

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